第150章

雪奈は反論しなかった。

「もっと証拠が必要」

山本祐翔は立ち上がり、書類を鞄へしまう。雪奈を見据える瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。

「それまでは、俺が折れるしかない。……俺が何を掴んだか、誰にも悟らせられない」

立ち去ろうとして、背を向けたところでふと足が止まる。小林グループで小林凌輝に言われた言葉が脳裏をよぎり、胸の奥がわずかに緩んだ。

祐翔は首だけを少し傾け、低く言う。

「ありがとう。手を貸してくれて」

それだけ告げると、雪奈の返事を待たずに扉を押し開け、外へ出ていった。

雪奈はその場に立ち尽くし、閉まった扉を見つめたまま、言いかけた言葉を飲み込む。

……

夕方...

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