第151章

翌朝。

雪奈と小野朝香は住所を頼りに、郊外にある古びた集合住宅へ辿り着いた。外壁はところどころ剥げ落ち、廊下にはガラクタが積み上がっている。湿ったカビの匂いが、鼻の奥にまとわりついた。

二人で五階まで上がり、表札を確かめてから左側の扉を叩く。

しばらくして、扉が細く開いた。隙間から、女の顔が覗く。

年の頃は五十代半ば。だが髪は同年代よりずっと白い。灰色の上着を羽織り、頬はこけて疲れが滲んでいるのに、目だけは澄んでいて強かった。写真で見た若い頃の面影が、かすかに残っている。

早谷誠子は雪奈をじっと見た。数秒、視線が彼女の顔に留まり――やがて身を引いて言う。

「……入って」

雪奈は...

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