第153章

指先がわずかに強ばり、雪奈はそっと息を吐いた。

「あなたももう調べはついてるはず。梅野昭人が“Zさん”よ。それだけじゃない。あいつは師匠の実の息子で、海外で違法な商売に手を染めてた。師匠はとっくに縁を切ってる」

「私をさらったのは、あのデザイン画を描かせるため」

小林凌輝はソファの前まで戻り、彼女の向かいに腰を下ろした。身を少し乗り出し、珍しく硬い眼差しで見据える。

「そこまで分かってるなら聞く。今、お前が相手にしてるのがどういう人間か……理解してるのか?」

「梅野昭人の海外のビジネス網は、お前が思ってるよりずっとデカい。闇金融だけじゃない。文化財の密輸にマネーロンダリング……そん...

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