第154章

そのままいけば、彼女と村田力哉の社内での立場は、一気に地に落ちる。

山本華子は湯呑みを手にしたまま、視線を階段口へ落とした。表情は沈み、胸の内だけが忙しなく回転する。

このまま山本祐翔を好き放題にさせるわけにはいかない。何としてでも、止める。

「華子?」

山本父に二度呼ばれて、ようやく我に返った。

「え? なに?」

「どうした。何を考えてるんだ。何回呼んでも返事がない」

山本父は訝しげに彼女を見つめる。

山本華子は慌てて湯呑みを置き、こめかみを指で揉んだ。疲れたふりをして、薄く笑う。

「今日、初めて会社に行ったでしょう。ちょっと疲れちゃって……頭も痛いし。あなた、先に部屋で...

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