第157章

白井桃奈の顔から笑みは一ミリも崩れなかった。けれど、瞳の奥の光だけが、かすかに揺らぐ。

山本華子の笑顔は一瞬だけ固まり、次の瞬間には何事もなかったように柔らかさを取り戻した。口調も変わらず穏やかだ。

「祐翔の言うことももっともね。私が焦りすぎたわ。じゃあ、桃奈にはまず数日、慣れてもらってからにしましょう」

山本父は祐翔を見て、華子を見て――結局それ以上は言わず、軽くうなずいて話題を変えた。

食卓は、表面だけの静けさのまま終わる。

食後。

山本祐翔は自室へ戻り、ドアを閉めた。数秒考えてからスマホを取り出し、雪奈に発信する。

コールは二回でつながった。

『どうしたの?』

受話口...

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