第165章

けれど山本莉乃が気づかなかったのは、書棚の上部に置かれたオブジェの陰で、ピンホールカメラのインジケーターが赤く、かすかに点滅していたことだ。

翌朝。

山本華子は書斎に座り、パソコンを立ち上げると、昨夜の防犯カメラの映像を呼び出した。

深夜、山本莉乃が彼女の部屋へ入り、引き出しを漁り、スマホで写真を撮っている。

山本華子は画面を凝視したまま、指先をゆっくりと握り込む。

瞳の奥に沈むのは、濁った陰。

――この娘は、結局あてにならない。

同じ頃。

梅野昭人は城東の別荘の書斎にいた。届いたばかりの調査報告書を指でつまみ、顔色を落とす。

報告書には、白井桃奈が三日前、城西の茶室で山本...

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