第168章

「力ずくでドアをこじ開けたら、こっちは警察を呼べるのよ。暴力で押し入って娘を連れ去ろうとしたってね。警察が来たら、あんたの言い分を信じると思う? それとも私?」

山本祐翔は答えない。ただ氷みたいな目で彼女を見据えた。

そのとき、玄関のほうから声が飛んだ。

「通報? いいじゃないか。なら、呼べばいい」

一斉に視線が入口へ向く。

立っていたのは山本父だった。手にはバッグ。外から戻ったばかりらしい。

顔色は最悪で、リビングにいる三人を順に見回し、最後に山本莉乃の腫れた目と乱れた髪で止まった。声が、ずしりと落ちる。

「誰か説明しろ。いったい、何があった」

山本父の姿を見た瞬間、山本莉...

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