第171章

鉄パイプが風を切って雪奈へ振り下ろされる、その刹那――銃声が埠頭の静寂を真っ二つに裂いた。

弾丸は梅野昭人の小腕を正確に撃ち抜く。ぶわっと血が弾け、鉄パイプは手を離れて飛び、数メートル先のコンクリートへカラン、と乾いた音を立てて転がった。

「ぐあっ!」

梅野昭人は悲鳴を上げ、腕を押さえたままよろめきながら下がる。険しい表情が、みるみる「信じられない」という顔へ変わっていった。

彼は自分の腕に空いた穴――どくどくと血を噴くそれを一瞥し、弾の飛んできた方向へ顔を上げる。

雪奈の斜め後ろ、コンテナの影から小林凌輝が足早に姿を現した。銃口にはまだ、うっすら青い煙が残っている。

冷えた顔。...

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