第173章

全員が静まり返ったのを確認してから、山本祐翔がようやく口を開いた。瞳の色は鋭い。

「村田力哉が残した尻ぬぐいは、俺が一つずつ片づける。ここにいる全員、身に覚えがないならこのまま残れ。山本グループは、真っ当に働く人間を冷遇しない」

「覚えがあるなら、人事に辞表を出せ。今は追及しない」

視線が、席にいる顔をゆっくりとなぞっていく。声量は大きくない。だが一語一語が、やけに鮮明に刺さった。

「ただし今日を過ぎて、まだ手を伸ばす奴がいたら――飲み込んだ分、全部吐かせる」

会議室は水を打ったように静かだった。

誰も喋らない。誰も動かない。

沈黙が十秒ほど続いたところで、山本祐翔は椅子を引い...

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