第29章

翌日。

パーティーの会場は、都心に新築されたホテルの最上階だった。

巨大なリング状のフロア・トゥ・シーリングの窓から、きらめく夜景が余すところなく見渡せる。内装はミニマルでモダン。照明は意図的に落とされ、空気だけが上質に整えられていた。

小林凌輝が雪奈をパートナーって出席したのは、もちろん自分の意思ではない。

数日前、小林爺さんから直々に電話が入ったのだ。口調は有無を言わせない硬さで、こう告げた。今後の重要な協業相手が絡む場だ。小林夫人である雪奈も同席し、敬意と家としての姿勢を示せ――と。

凌輝には反論の余地がなく、ただ「承知しました」と返すしかなかった。

雪奈も、特に態度を変え...

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