第38章

小林凌輝は名簿を受け取ると、目を走らせた。

最初の二つは予想どおり。だが、三つ目を見た瞬間――瞳孔がきゅっと縮む。

初雪アトリエ、snow。

ずっと胸の奥で追い求め、あらゆる筋から探り、何が何でも手に入れたいと思っていた謎のデザイナー『snow』が、「ホライゾン」の入札に名を連ねている。

小林凌輝は名簿を机へ叩きつけ、目を細めたまま、ゆっくりと言った。

「今すぐ『初雪アトリエ』の責任者にアポを取れ。小林グループとして協業の意思がある、と伝える。できるだけ早く、本人と会いたい」

「かしこまりました、小林社長」

都心の会員制クラブ。個室で小林凌輝が対面したのは、「初雪アトリエ」の責...

ログインして続きを読む