第41章

手首に鋭い痛みが走る。だが雪奈は眉をひそめただけで言い返した。

「小林社長のことは覚えてる。でもね。私が誰に会うかは、私の自由だって言ったはず」

「自由?」

小林凌輝はとんでもない冗談でも聞いたみたいに、喉の奥で低く嗤った。次の瞬間、ぐっと距離を詰める。熱を帯びた息が、雪奈の頬を灼いた。

「お前の自由ってのはな、俺に隠れて何度も男に会いに行くことか? 人前でいちゃつくように目配せして、あいつに庇わせて、挙げ句に家まで送らせる。それが自由か?」

男の瞳の底で、危うい感情がどろりと渦巻く。

「雪奈。俺を舐めてんのか?」

その言葉を聞いた瞬間、雪奈はゆっくり目を閉じた。笑えてくる。

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