第42章

小林凌輝は眉をひそめ、それ以上は何も言わなかった。だが胸の奥に引っかかった違和感だけは、どうしても消えてくれない。

それから数日。彼は早朝に出て深夜に帰る生活を続け、雪奈と鉢合わせしそうな時間帯を意識して避けた。にもかかわらず、別荘は――妙なほど静かだった。

食卓にいるのは、いつだって自分と白井桃奈だけ。いつも隅に黙って座っていた、あの気配が消えている。

最初は、また外へ気晴らしに出たのだろうと思った。あるいは、わざと自分を避けているのかと。

だが四日目の夜。仕事を片づけた彼は、なぜか吸い寄せられるように、雪奈の部屋の前まで来ていた。

扉は、半開きだった。

押し開けると、中はがら...

ログインして続きを読む