第43章

テーブルのど真ん中には、「ミラージュ」ブランドの社内評価レポートが一部、ぱたりと開かれたまま置かれていた。脇にはデザイン画が数枚、雑然と散らばっている。

白井桃奈が目を凝らした、その瞬間だった。足の裏から氷水が背骨を駆け上がり、頭のてっぺんまで突き抜ける。

独特のタッチ。右下には、ほとんど目立たない手書きのサインがあった。流れるような文字で――snow。

そして何より桃奈の背筋を凍らせたのは、その「気配」だ。

「暁」シリーズがまとっていた空気と、あまりにも似すぎている。模倣の域じゃない。まるで同じ人間の手から生まれたみたいに。

桃奈は「暁」シリーズがどこから来たものかを知っている。...

ログインして続きを読む