第44章

入力欄の文面をもう一度なぞり、小林凌輝は送信をタップした。

宛先は、彼がとうに暗記している――「初雪アトリエ」公式連絡用の暗号化メールアドレス。

本文は、たった一行。

[内部に注意。最終審査の現場、何か起きるかもしれない]

送信完了。

椅子の背にもたれ、凌輝は目を閉じた。

snowに届くかどうかも分からない。届いたとして、どう受け取られるのかも。

ただ、雪奈かもしれないsnowが、汚い手で潰されるのだけは見たくなかった。

そして時は流れ、「ホライゾン」プロジェクト最終審査プレゼンが幕を開ける。

会場の空気は、厳粛そのものだった。

小林グループ「ミラージュ」チームと「初雪ア...

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