第46章

休憩時間、小林凌輝は客席に立ったまま、雪奈が吉田辰哉とチームの面々に囲まれているのを見つめていた。

彼女の頬には、これまで一度も見たことのない、薄く穏やかな笑みが浮かんでいる。

自分が何を取りこぼし、そして何を失おうとしているのか。

それを、これほど鮮明に思い知らされた瞬間はなかった。

山本祐翔が隣に並び、含みのある声で言う。

「見えた? お前がずっと見ないふりしてきた人だよ」

小林凌輝は答えない。

ただ、その影を目で追い続けた。

休憩が明け、審査委員会が再入場する。

審査団代表が、最終結果を読み上げた。

「『ホライゾン』浜海国際ホテル全体設計プロジェクトにつきまして、審...

ログインして続きを読む