第65章

雪奈は深く息を吐き、デザイン案を机に置くと、かすかに苦笑した。

「いまさら……私に残ってる、最後の息をする場所まで奪うの?」

その一言一言が、目の前の男の胸を容赦なく抉った。

「……もういい!」

堪えきった糸が切れたように、小林凌輝が低く唸る。次の瞬間、何の前触れもなく身を屈め、両手で雪奈の肩を掴むと、そのまま乱暴にベッドへ押し倒した。

ぐるりと視界が反転する。雪奈の瞳がはっと見開かれ、反応する間もなく――唇に、熱く柔らかな感触が落ちてきた。

身体が強張る。頭の奥が、ぶわっと鳴った。

小林凌輝は唇で、彼女の言葉を塞いだ。

熱く、荒く、苛烈な口づけ。もはやキスではない。噛みつく...

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