第66章

小林凌輝の声は少しかすれていて、口調もどこまでも事務的だった。

「向こうは、お前がデザイナーだって知ってる。いつも通り受け答えしてればいい」

ジョンさん――?

至高のクラフトマンシップで名を馳せる、あのラグジュアリーブランド企業の社長。

雪奈は意外そうに目を瞬いた。

小林グループがジョンさんと取引していることは知っていた。けれど、本人が直々に来るとなると話は別だ。さすがに驚く。

会食はほど近いパーティー会場で行われた。

長テーブルには真っ白なクロス。銀のカトラリーとクリスタルのグラスが照明を受けてきらりと光る。

小林凌輝と雪奈は左右に分かれて腰を下ろし、中央には客のための席が...

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