第79章

声が落ちた瞬間、会議室は一気にざわめき立った。

『ジョン・グループ』。デザイン業界の巨頭だ。そことうまく組めるとなれば、アトリエ未来の先は明るい――そんな期待が、空気を熱くする。

社員たちは顔を見合わせ、互いの瞳に隠しようのない驚きと高揚を見つけていた。

……

夜は墨を流したように濃い。

小林凌輝の車が、白井桃奈のマンションの下で止まった。長い脚で地面に降り立つと、彼はその場で、灯りのついた窓をじっと見上げた。目を細め――それからようやく、玄関へ向かう。

扉の前で手を上げ、コンコンと叩く。数秒後、ドア越しに苛立った小声と、こちらへ近づいてくる足音が聞こえた。

「こんな時間に、誰...

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