第89章

山本祐翔は視線を落とし、小林凌輝に問いかけた。

「連中はいったい、誰を狙って動いてる? 国内かヨーロッパで、君は“触れちゃいけない相手”にでも喧嘩を売ったのか?」

その言葉に、小林凌輝の目がすっと冷える。振り返り、山本祐翔を見据えた。

「調べはついてる。連中に連絡したのは白井桃奈だ。狙いは雪奈と、彼女のデザイン。俺が誰の恨みを買ったかは――俺が綺麗に片づける。問題はお前だ」

言葉の矛先が変わる。薄い嘲りが混じった。

「危険があると分かってたなら、人の多い公共の場に連れて行くべきじゃない」

「お前……」

山本祐翔は言葉に詰まった。まさか相手が、白昼堂々、博物館で手を出してくるとは...

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