第90章

雪奈は一度言葉を切り、胸の内を整えると、二人の男をまっすぐ見上げた。声は揺れていない。

「行く。でも、ちゃんと対策もする。小林凌輝、あんた“人”がいるって言ってたよね? 山本祐翔、あんたもボディーガードいるでしょ?」

唇をきゅっと結び、少しだけ言葉を選ぶ。

「その人たち……借りるってことでいい。私は行く。怖がって、ここで仕事を止めるわけにはいかないの」

雪奈の性格を知り尽くしている小林凌輝と山本祐翔は、顔を見合わせた。互いの目に、同じ感情が浮かぶ。

――決めたら、もう覆らない。

ならば自分たちにできるのは、彼女を守りきることだけだ。

小林凌輝が最後に頷いた。

「いい。ただし、...

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