第99章

どれほどの時間が過ぎたのか分からない。意識は、混沌とした黒の底をただ漂っているだけだった。

鋭い痛みが全身のあちこちから突き上げてくる。とりわけ頭と胸がひどい。今にも割れてしまいそうなほどに。

ベッドの上で、女の指先がかすかに動いた。しばらくしてから、重たいまぶたを持ち上げようと、ゆっくり、必死にあがく。

長いまつげが震える。雪奈の視界はまだ滲んでいて、飛び込んできたのは目に刺さる白い光と、揺れる影だけだった。

数秒。ようやく輪郭が戻ってくる。

目に入ったのは、病室の白すぎる天井。空気には消毒液と、薬品の匂いが混じっていた。

身体はベッドに固定され、頭には分厚い包帯。胸にも固定帯...

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