第27章

翌朝。琳はあくびを噛み殺しながら、梨乃と並んでA市第一病院へと歩いていた。

「琳、田染先生の予約を取ってくれるなんて!」

「全国の眼科のトップ、あの『名医・田染』だよ!? 治せない眼の病気はないって言われてて、予約を取るなんて至難の業だし、診察料だってすっごく高いのに!!」

「予約開始の瞬間に秒単位で争奪戦になるって聞いたことある。私も前に取ろうとしたけど、全然駄目だったんだから」

梨乃は興奮のあまり琳の隣でぴょんぴょん飛び跳ねているが、琳本人はのんびりとした足取りで前を向いている。

実のところ、田染の予約は交通事故の日に、悠に頼んで急遽取ってもらったものだ。第一病院は九条家の出資...

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