第51章

「ちょっと、通して」

琳は慌てる様子もなく手荷物を置き、しゃがみ込んだ。

老人に近づいた途端、周囲の人間が口々に騒ぎ立てた。

「お嬢ちゃん、何してるんだ? 家族じゃないなら勝手な真似はよせ。万が一のことがあったらどうする!」

琳は聞こえないふりをして、老人の手をそっとどかし、傷口を圧迫した。その途端、老人は痛みに耐えかねて悲鳴を上げた。

「おいおい、この子医者なのか? かえって苦しませてるようにしか見えないぞ」

「医者なわけないだろ。こんな若いんだ、どうせ素人の知ったかぶりさ。ヒーロー気取りで人助けの真似事をしてるだけだ。お嬢ちゃん、離れてたほうがいい。こういうのは専門家に任せる...

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