第53章

琳が去った後、野角学長は感心したように息を吐いた。

「今時の高校生にあんな気骨があるとは、たいしたものだ」

そう言ってから、傍らに立つ九条家の面々に視線を向ける。

「して、今日は何の用で私を訪ねてきたのかな?」

背後に控えていた坂宮がため息をつき、一歩前へ出た。

「野角学長。私の不手際で、あの傷薬を持つ高校生を未だに見つけられていないのです。帝都高校の校長に協力を仰ごうとしたのですが、あろうことか最近停職処分を受けてしまいまして、まったく使い物になりません」

野角学長は頷き、先を促した。

「それで、私に何をしろと?」

悠が遠慮のない口調で切り出す。

「野角学長から帝都高校の...

ログインして続きを読む