第64章

橘家の別邸から人がすっかり引いた後、夢子は琳の行く手を遮り、怒りに任せて声を荒らげた。

「琳!! 優勝したからっていい気にならないでよ。どうせ汚い手を使って取った成績に決まってるわ!」

琳が大会で結果を出したことが、夢子には腹立たしくてならなかった。彼女はさらに言葉を継ぎ、激しくまくしたてる。

「どのみち、あんたは日陰者の私生児にすぎないのよ!! 卑劣な手段で目的を果たそうなんて思わないことね。橘家のお嬢様は、永遠にこの私なんだから!」

地団駄を踏みながら憎まれ口を叩く夢子に対し、琳は微塵も動じず、ただ淡々と言い放った。

「夢子、他ならぬ今日の件については、あなたに感謝しなきゃね」...

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