第67章

琳は目の前のチーズケーキを手に取り、最後にこう告げた。

「必要ないわ。九条家はすでに、私のコンペに参加しているもの」

「何だって!?」

その言葉に九条家の面々は息を呑み、訳が分からないといった様子で顔を見合わせた。

「琳さん、すでに参加しているとはどういう意味ですか? 我々九条家は何も聞いておりませんが」

琳は両手を広げて肩をすくめる。

「第一病院が半月も前に、直接私のところへ来てこの傷跡治療薬のコンペを予約していったの。銀海ファーマと競り合って、より高い額を提示した方が、この薬のレシピを手に入れるってわけ」

その言葉に、普段は冷静な悠でさえ一瞬虚を突かれた。少し遅れて、彼はよ...

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