第70章

アミは遠回しに断りの言葉を口にした。

九条家の権力が絶大だとはいえ、彼女も名だたる芸術家である。その弟子になるには、万に一人の天才でなければ資格がない。

いくら九条家からの頼みであっても、凡庸な生徒を無条件で弟子にするつもりはない。だからこそ、あえて大々的な歓迎の場を設けて九条家の顔を立て、その上でやんわりと突き返す。それが彼女の考えた筋書きだった。これなら、少なくとも九条家の面子を潰すことはない。

「お友達の事情は伺っています。これまで一切の芸術教育を受けてこなかったそうですね。その状況は確かに厳しいですし、大学入学共通テストまであと半年しかありません。この半年間でパリ美術学院に合格...

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