第76章

証拠の対質とは、証拠を提示した上で当事者双方が同席して尋問を行う手続きである。もし有力な証拠を提示して元の証拠の矛盾を証明できれば、これまでの証拠を覆し、立証側に再度の立証を求めることができる。

だが、この方法は琳にとって極めて不利だった。もし古い証拠を覆す新たな証拠を出せなければ、裁判の判決時に罪が重くなる可能性が高いからだ。そのため、多くの弁護士は依頼人にこの手段を勧めない。

よほど絶対の自信がない限りは。

「琳さん、対質がもたらす結果を理解していますか」

和平は眉をひそめたが、琳は微塵も怯むことなく、声を張り上げた。

「もちろん、分かっています」

高橋警部はしばらく彼女を観...

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