第84章

その後、リンはしばらく平穏な日々を送った。あっという間に二ヶ月が過ぎ、SATまで残り三ヶ月を切ると、校内の学習ムードも日に日にピリピリとし始めていた。

だがリンは相変わらず、周囲の喧騒などどこ吹く風とばかりに、一日中呑気に居眠りを決め込んでいる。

今日は橘家の面々が揃って夕食を囲んでいた。賢治が時期を見計らったように口を開く。

「リンや、もうすぐSATだが、志望校は決まったのか? 以前、帝都医学院の誘いを蹴ったくらいだ。さぞかし良い考えがあるのだろう?」

リンは少し唇を引き結び、何かを思い巡らすようにしてから答えた。

「まだ決めてない。その時になったら考えるわ。まあ、そこまで酷いと...

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