第86章

あっという間に三ヶ月が過ぎ、今日はSAT試験の当日。最初の科目は数学だった。

試験開始の合図とともに問題用紙が配られると、琳は焦る様子もなくペンを取った。たちまち、教室にはカリカリと紙を擦る音だけが響き渡る。

他の受験生たちが頭を抱えて必死に考え込んでいるところを見ると、どうやら問題の難易度は低くないらしい。だが、教室の隅に座る琳だけは違った。終始涼しげな顔つきで、張り詰めた空気などどこ吹く風だ。

いつものように、琳は開始からわずか十分で解答欄をすべて埋め尽くし、さっさと途中退出してしまった。試験監督は彼女の素性を知る由もない。

琳が教室を出た後、監督官はもう一人の試験官に小声で耳打...

ログインして続きを読む