第87章

先ほど橘久光が問題が難しすぎるとこぼしていたばかりだ。琳の言葉は、彼の顔に泥を塗るも同然だった。

萌香は露骨に顔をしかめ、鼻で笑った。

「ふん、たった十分で解いた問題がどれだけすごいって言うのよ。それならどうして、帝都大学に推薦合格していないわけ?」

「違いますよ、秦さん。琳は以前、帝都医学院の院長から推薦入学の誘いを受けましたが、きっぱり断ったんです。他にどうしても行きたい場所があるみたいで」

それまで黙っていた梨乃が唐突に口を挟んだ。その言葉の裏には、帝都医学院など琳の眼中にないという響きが含まれていた。

萌香の顔色がさらに険しくなる。帝都医学院を蹴るだと? 正気か!?

以前...

ログインして続きを読む