第98章

警察署の外には、漆黒のロールスロイスが静かに停まっていた。ナンバープレートは三つの『1』。後部座席には、悠と父親の拓海が並んで腰を下ろしている。

「悠、琳のやつ、どうしてまたこんな厄介事に巻き込まれたんだ? 今回はうちも手を貸すべきか?」

悠は窓枠に片肘を突き、細く長い指で頬杖をついていた。微塵も心配する素振りは見せず、ただ静かに口を開く。

「ネットの世論だけ統制して。あとは流れに任せるわ」

「助けないつもりか? だが、ここで見過ごして騒ぎが大きくなれば、我々にとっても不利益だぞ」

拓海は焦りを滲ませ、窓の外の警察署へと視線を向けた。対する悠は顔色一つ変えず、淡々と言い放つ。

「...

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