第10章 中絶同意書

三浦央士の胸の奥で、名もない怒りがさらにごうごうと燃え上がった。

そのとき、彼の手が机のいちばん下の引き出しに触れた。

何気なく引き開ける。

中に入っていたのは、紙袋がひとつだけ。

三浦央士は眉をひそめ、それをつまみ上げた。

軽い。封もされていない。

中の書類を数枚引き抜き、目を落とした瞬間――そこに記された文字が、視界に焼きついた。

その刹那、頭の中で何かが爆ぜた。

耳の奥で、ぶうん、と不快な耳鳴りが響く。

中絶承諾書。

手術日――15日前。

その瞬間、三浦央士は全身の血が一気に頭へ逆流したような感覚に襲われた。

流産――?

半月前――?

だが、彼と工藤花恋は、...

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