第108章 適当

向かいに座っていた三浦亜衣もそれを見て、たちまち口がうずいたのだろう。甘えるように手を伸ばす。

「おばあちゃん、亜衣も飲みたい!」

「ふざけるんじゃないよ」

おばあちゃんはすぐに顔を曇らせ、箸で亜衣の茶碗の縁をコン、と叩いた。

「子どもが何を飲むんだい。黙ってご飯を食べな」

三浦亜衣は悔しそうに唇を尖らせ、ぶつぶつ言いながら俯いた。

工藤花恋はその横で、おばあちゃんの言葉に妙な含みを感じた。胸の奥がちくりとする。けれど、深く考えるほどのことでもないかと、いったん飲み込んだ。

夕食を終えるころには外はすっかり暗くなり、しとしとと雨まで降り出していた。

おばあちゃんは窓の外を一瞥...

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