第115章 彼女が私の母親だからだ

そして、彼女の隣に立つ三浦央士。

つい一分前まで、1億をぽんと投じて堂々と振る舞っていた三浦グループ社長は――今や、顔色がどす黒く沈み、今にも雫が落ちそうなほどだった。

大スクリーンに最後まで残った「工藤典子」の四文字を凝視し、ぎこちなく首を回す。隣で金切り声を上げ続ける岡田明菜へ、硬い視線を落とした。

そして、何かに気づいたように。

三浦央士はふっと顔を上げ、人垣の向こうへ視線を伸ばす。ようやく、その先で口元を押さえ、涙で目を濡らしている工藤花恋を捉えた。

さっきまでセレブ然と胸を張り、会場中の羨望を浴びていた岡田母は、紙のように真っ白になっていた。

それでも、崩れ落ちる身体を...

ログインして続きを読む