第116章 受け入れる

最後に飛び出してきたのは、南川杏菜の父親だった。顔面を真っ青にし、舞台裏から駆け込んできたその姿に、江城きっての笑いものへと堕ちた茶番は、ようやく辛うじて歯止めがかかった。

「全員、黙れ! みっともない真似をするな!」

南川社長の腹の底からの怒鳴り声に、面白がって騒ぎを煽っていた客たちも、さすがに少しだけ勢いを削がれる。

社長は人混みの中、にやにやと他人事みたいな顔をしている南川杏菜を指さした。怒りで心臓が止まりそうなほどだ。

「それからお前! このクソ娘!」

指を鼻先に突きつけられ、杏菜は一瞬だけ目を丸くする。だが社長のほうは、全身を震わせながら続けた。

「覚えてろよ。帰ったら...

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