第12章 無一文で出て行く

床にひざまずき、泣いている工藤花恋を目にした瞬間、三浦央士の目の奥に嫌悪がひらめいた。

やはりこの女がいちばん得意なのは、泣きつくことと被害者ぶることだ。

病院で演じ足りず、今度は祖母の前で続きでもやるつもりか。

「おばあちゃん、やっと目を覚ましたばかりなんだ。こんな女の言うこと、真に受けないでくれ」

三浦央士は大股で部屋に入ってくると、見下すように工藤花恋を一瞥し、冷たく嗤った。

「工藤花恋、お前も手が早いな。もうここまで泣きついたのか?どうせなら、外で男を作ってたご立派な話も、おばあちゃんに聞かせたらどうだ」

「ぱしん――!」

重たい紫檀の杖が、容赦なく三浦央士の脛を打ち据...

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