第124章 離婚の熟慮期間

どうしてだろう。想像していたみたいな大きな喜びはなくて、胸の奥がすぽんと抜け落ちたみたいに空っぽだった。

自嘲気味に思う。たぶん昨日、「離婚しないほうがバカだ!」なんて大声で叫びすぎて、喉も枯らして、力も全部使い切ったんだ。

機械みたいに顔を洗って歯を磨き、着替えて――それどころか珍しく薄化粧までした。ひどく疲れ切った顔を隠したくて。

でも、ファンデーションをどれだけ重ねても、目の下に沈んだ寂しさまでは消せなかった。

9時50分。タクシーで市役所の前に着く。

空は鉛色で、空気も妙に「それらしく」小雨が降っていた。

階段の下に立ち、顔を上げる。視界に入ったのは、見慣れた背中だった。...

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