第125章 迷い

工藤花恋は何も言わなかった。ただソファからすっと身を起こし、黙々とお菓子の袋を開けてはテーブルいっぱいに並べていく。さらに買い物袋からビールを取り出し、一本、また一本と外へ出した。

その山みたいなビールを見て、南川杏菜の目がきらりと光る。

「おっ、やるじゃん花恋。最近あたしが口さみしいの、わかってんじゃん。ほらほら、今日は飲むよ! 潰れるまで!」

杏菜は勢いよくグラスを二つ持ってきて、ビールを二本開けると、一本を花恋に差し出した。

けれど花恋は小さく手を振り、袋のいちばん底を探って――ミネラルウォーターを一本取り出した。キャップを開け、黙って大きくひと口飲む。

杏菜の、ビールを掲げ...

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