第130章 彼にも気づくことができたんだ

「通りがかり? 三浦グループ本社からハイテク産業パークまで“通りがかり”って、武田さん、ずいぶん遠回りじゃない」

南川杏菜は容赦なくそう突きつけ、手にした弁当箱をひらりと揺らした。

「花恋のことが心配なんでしょ。だったら堂々と上がって顔見ればいいのに。……まさか、後ろめたいとか?」

「お前――」

武田昌弘は言葉を詰まらせ、顔を真っ赤にして杏菜を睨みつけた。

剥き出しの指摘に、骨の髄まで染みついたプライドが反射的に全身の棘を逆立てる。

「後ろめたい? 笑わせんな!」

彼は手元の煙草を乱暴にへし折り、窓の外へ放り投げた。視線は再び冷たく、傲慢に尖る。

「ただ、昔のよしみってやつだ...

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