第145章 記憶喪失の三浦社長2

ベッドの上で、いつもは冷徹で気品すら漂わせる三浦グループ社長が、いまは工藤花恋の右腕にしがみつき、全身で貼りつく勢いだった。

整った顔には、情けなさと怯えがありありと浮かんでいる。

花恋は身体を強張らせたまま、三十数分も「花恋」「ハニー」と呼ばれ続け、鳥肌が止まらなかった。

「三浦央士、離して!」

花恋が深く息を吸う。こめかみがずきずき脈打つ。

「やだ」

央士は離すどころか、さらに腕に力を込め、拗ねた声で甘えた。

「ハニー、頭がすっげぇ痛い……揉んで。お願い」

花恋は天井を仰ぐ。

頭に分厚い包帯が巻かれていなければ、薬でも間違えて飲んだのか、あるいはわざと自分をからかってい...

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