第152章 チューして

工藤花恋は小さく息を吐き、眉間を揉みながら言った。

「いつ回復するかなんて、誰にも断言できないわ。今いちばん大事なのは、今の状況を崩さないこと。林谷さん、隠せるだけ隠して」

「何を隠すんだよ?」

ひょい、と三浦央士の顔が視界いっぱいに割り込んできた。

「花恋、俺に内緒で何か面白いことしてる? なんで他の人に言っちゃダメなの? 俺もやる!」

至近距離の整った横顔を見た瞬間、花恋の頭に電流みたいなひらめきが走る。

「林谷さん……たぶん、手がある」

花恋の瞳がわずかに明るくなり、林谷さんを振り返った。

林谷さんは藁にもすがる顔で身を乗り出す。

「手って、何ですか?」

「役員会に...

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