第157章 吹っ切れる

翌日。

工藤花恋は朝の光の中で目を覚ました。意識はまだぼんやりしていて、反射的に隣へ手を伸ばす。

触れたのは、ひやりとしたシーツだけ。

――いない。

その事実に、胸の奥がぽっかりと抜け落ちたような気がした。

花恋は跳ね起きてベッドを降り、寝室を飛び出した。

「三浦央士?」

名を呼びながら階段を駆け下りる。

リビングは、しんと静まり返っていた。

胸がきゅっと縮む。まさか、また何か――。

そう思った瞬間、キッチンのほうからふわりと食べ物の匂いが流れてきた。

花恋の足が止まる。

三浦央士が背を向けてコンロの前に立ち、ぎこちない手つきで……卵を焼いている。

花恋は近づいて、...

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