第168章 子どもを持たないと決める

三浦母は、その言葉を聞いた瞬間――頭の中が真っ白になった。

震える声で詰め寄る。

「央士! ちゃんと説明しなさい! どういうことなの? 病気って何、子どもって何なの!」

三浦央士はゆっくり顔を上げた。母をまっすぐ見据え、口元だけを冷たく歪める。自嘲の色を滲ませたまま。

「聞こえた通りだよ。母さん、これで満足?」

「彼女は白血病だ。もう……長くない。母さんたちが欲しがってた三浦家の孫も、母さんたちが自分の手で潰した。これで嬉しい? 満足した?」

声は大きくない。けれど、逃げ場のない絶望と、焼けつくような憎しみが、言葉の端々に絡みついていた。

三浦母と三浦亜衣は顔を見合わせる。瞳の...

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