第183章 行け

工藤花恋はただ頑なに彼女を見つめるだけで、受け取ろうとしなかった。

三浦央士は結局、どうしようもなく息を吐き、水をまたテーブルへ戻す。

「ふざけるな。医者だって言ってただろ。検査を終えたばかりで、これからの治療方針には俺が――」

「ここには全米トップクラスの医師がいるし、専門のヘルパーもいる」

工藤花恋が遮った。口元が自嘲気味に、ほんの少しだけ歪む。

「あなたがここにいると、私はただ面倒なだけ。正直、もう顔も見たくない。これ以上、あなたに『迷惑』もかけたくない」

「迷惑」

その一言が、三浦央士の胸を鋭く抉った。

喉仏が、苦しげに上下する。

彼はベッド脇に片膝をつき、花恋の手...

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