第184章 おばあちゃんからの電話

工藤花恋がテキサス医療センターに来て、十日目だった。

昼どきの陽射しは容赦なく、窓の向こうが白く滲むほど眩しい。

花恋はベッドの背を起こし、枕に身体を預けていた。血の気のない頬。唇の色も薄い。

視線だけが、窓外のアオギリに吸い寄せられている。

病室のドアが、そっと押し開けられた。

三浦央士が弁当箱を提げて入ってくる。

この十日、彼は病院と別荘を行き来し続けた。頬はこけ、肩の線まで細くなっている。

花恋は何も言わない。見えていないふりをする。

二人とも、そんな距離に慣れてしまったみたいだった。

央士も言葉を探さない。ただ黙ってテーブルへ行き、弁当箱の蓋を開ける。

弁当箱から...

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