第188章 見つめ合って笑う

三浦央士は、もう堪えきれなかった。

衝動のまま身を乗り出し、壊れものに触れるみたいに彼女をそっと抱き寄せる。

力なんて入れられない。ただ、ふわりと腕を回すだけ。

首筋に顔を埋めた瞬間、熱い涙がこぼれ落ち、薄いパジャマをあっという間に濡らした。

「花恋、お前は負けてない。負けたのは俺だ……最初から最後まで、惨めに負け続けたのは俺のほうだ!」

大きく息を吸い込み、泣き声を喉の奥へ押し込める。

「俺と岡田明菜は……本当は、語るほどのことなんてない」

自嘲気味に、低い声で笑った。

「若い頃の、実らずに終わった恋だ。あの頃の俺は勢いだけで、愛なんて分かってなかった。あいつは自分の仕事の...

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