第22章 彼を殺してやる

 地面には、土埃をかぶった林檎がいくつも転がっていた。片方は、ぐしゃりと踏み潰された靴。

 ――姉さんが今朝、履いていった靴だ。

 工藤洸平の心臓が、どすんと底へ落ちた。

 靴が飛ばされた先を追うように、彼は薄暗い袋小路へ一気に駆け込む。

 次の瞬間、全身がその場で凍りついた。

「姉さん……」

 少し先。ゴミ箱の脇に、工藤花恋が静かに倒れていた。

 どろりと広がる暗赤色の血溜まりの中に。

 厚手のコートは血で完全に濡れそぼち、もともと紙のように白かった顔も、今は血汚れに覆われている。ぴくりとも動かない。

「姉さん――ッ!!!」

 工藤洸平は膝から崩れ落ち、そのまま血の中へ...

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