第62章 彼の誕生日

スパンコールのミニスカートを穿いた女の子が、いち早く工藤花恋に気づいた。目を細めたかと思うと、わざとらしく声を張り上げる。ねっとりとした棘が、言葉の端々に絡みついていた。

その甲高い悲鳴めいた声ひとつで、花屋に漂っていた静かで上品な空気が、ぱりんと割れた。

もう一人もすぐに振り向き、視線が花恋の隣にいる宮崎健へ触れた瞬間、瞳の奥に嫉妬と侮蔑がさっと走る。

「……あら、本当に工藤さんじゃない。どうしたの? 今日はストーカーみたいに三浦社長に張り付いてないんだ?」

「へえ、別の男連れて花屋デート? 工藤さんって、手口が派手になったよね。勉強になるわぁ」

「三浦社長がこれ見たら、どんな気...

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